2015.09.15
ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎)➀
ジャンパー膝はかなり発生頻度の高いスポーツ障害であり、バレーボール・バスケットボールなどのジャンプ及び着地動作、または
サッカーなどのボールを蹴る動作などを繰り返し行うことにより、膝蓋靭帯という膝蓋骨(お皿の骨)の直下から出て脛骨粗面(スネの骨の上部にある骨隆起)に付着している靭帯に微細な損傷が起こるスポーツ障害です。
スポーツ中やスポーツ後に痛みが出ている場合はまだいいのですが、重症化すると痛みで日常生活にも支障が現れてきて最悪の場合膝蓋靭帯が部分断裂や完全断裂を起こしてしまうこともあります。
特に、10代の成長期であり、スポーツ活動をしている子供に多く起こります。
なぜスポーツ動作により膝蓋靭帯を痛めてしまうのか・・・・・それは大腿四頭筋という太ももの前面にある筋肉が関係しています。
大腿四頭筋は大腿直筋・内側広筋・外側広筋・中間広筋と呼ばれる4つの筋肉から成り、骨盤と大腿骨(太ももの骨)を起始として下行して膝蓋骨に至りそこから膝蓋腱膜という組織になり膝蓋靭帯とつながり最終的に脛骨粗面に終着します。
歩いたり、走ったりする時に膝関節を伸展(膝から下の部分を前に出すこと)することが大腿四頭筋の
主な働きですが、この筋肉には他に重要な役割があります。
それはスポーツ中のジャンプからの着地時、ダッシュからの急ストップ時、または日常動作での階段・坂道の下り時、しゃがみ込時などで膝崩れ(膝がガクンと折れること)を防止するという大切な役目を負っていることです。
この時の大腿四頭筋の筋収縮は遠心性収縮という筋肉にとってはハードな収縮状態が強いられます。
ある研究では階段の着地時において膝蓋靭帯にかかる牽引力=負荷は歩行時のそれと比べて6~8倍にも達するという結果報告も
あるのでスポーツ動作時であればさらにそれ以上の力が加わるのは明白です。
大腿四頭筋が疲労して筋緊張を起こしていたり、この筋肉の柔軟性が低下している状態であると膝蓋靭帯にかかる
強大な牽引力によりキズ(微細損傷)が発生してしまいます。また、10代の成長期の子供は下肢の骨がどんどん伸びて身長が高くなりますが、その骨の成長に対して筋肉が対応しにくいことも原因となります。これがジャンパー膝の一般的な発生理由となります。
よって、大腿四頭筋をマッサージしたり、ストレッチしたりしてケアすることはとても大事なことです。
ただし、大腿四頭筋のケアだけではジャンパー膝の予防としては十分とは言えません。
最近、体の硬い子供が増えているように感じます。踵をついてしゃがむ姿勢が取れない子供も結構見かけます。
当院ではスポーツ障害の再発予防のためのストレッチ指導も行っているので、膝に痛みを感じたら放置して
おかないでご相談して下さい。
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