2015.10.10
閉塞性動脈硬化症
歩行中にふくらはぎなど下肢の筋肉に痛みが出て立ち止まってしまうことはありませんか?
もし、あるとすれば下肢に血行障害が生じている可能性があります。
人体の組織は血液を通して絶えず酸素、栄養素が供給されていますが、その血液を体の各組織に隅々まで運ぶパイプの役目をしているのが血管、正確には動脈です。
「動脈硬化」により動脈の内腔が狭くなったり(狭窄)、塞がったり(閉塞)して組織に血液が十分に供給されない状態が続くと痛みや痺れなどの症状が出てきますが、この「動脈硬化」が下肢の動脈に発生して冒頭に記したような症状を引き起こすのが閉塞性動脈硬化症です。 50才以降の男性に多く発症します。
この疾患は動脈硬化が原因なので、危険因子として高血圧、高脂血症、糖尿病、喫煙、もしくは慢性腎不全などがありその人のライフスタイルが発症にかなり関与しています。
当然、狭心症、心筋梗塞、脳梗塞などを合併している割合も高くなります。
症状は重症度によりⅠ度~Ⅳ度に分類されます。
Ⅰ度 :下肢の冷え、痺れを自覚し、客観的には皮ふの変色、冷感が認められます。
Ⅱ度 :Ⅰ度の症状に加えて、歩行時の痛みが出てきます。
一定の距離を歩くと下肢に痛みを主とした症状が出て、止まって休むと回復するが同じ距離を歩き出すと再び痛みが出てくる・・・・・・これを間欠性破行といいます。
Ⅲ度 :さらに症状が進行すると安静にしている時でも下肢に痛みなどの症状が出て夜も眠れなくなってしまいます。
Ⅳ度 :最も重症の状態で動脈は殆ど閉塞状態で皮ふ潰瘍や組織壊死が発生して激痛となります。
その部分を切断しないと「敗血症」といって全身に細菌が回り命を落とすことにもなります。
閉塞性動脈硬化症は徐々に進行していく疾患です。
初期(Ⅰ度)は比較的軽い症状ですが、Ⅱ度になり歩行時痛が出てくる段階になると医療機関を受診する人が多くなります。
当院でも歩行時の下肢の痛みを訴えて来院する患者さんは多くいますが、下肢の脈診、皮ふの視診や触診、生活習慣や病歴の聴取などから閉塞性動脈硬化症と診断して循環器や心臓血管外科に紹介した患者さんも過去に少なからずおりました。
確定診断は上記の科でABI検査、CT、MRI、血管造影、運動負荷試験などを行い判断します。
治療は動脈硬化の危険因子の治療と並行して生活習慣の改善をベースとして、初期症状であれば運動療法と薬物療法を試みますが,根本的な治療はカテーテルによるバルーンやステント法、またはバイパス手術を行います。
歩くと痛みや痺れが出て以前のように歩けない、歩くスピードがかなり遅くなってしまった・・・・・・
そのような方は閉塞性動脈硬化症の疑いがあるので一度当院にご相談してみて下さい。
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