2015.10.03
ドケルバン病(手首の親指側の狭窄性腱鞘炎)
腱鞘炎: 人間が体を動かす時に各々の関節部分において骨を動かしているのは筋肉ですが、筋肉は直接骨に付いているわけではなく腱という結合組織を介して骨に付着しています。
腱は筋肉により生み出された力を効率よく骨に伝える大事な役目を果たしていて筋肉のように伸びたり縮んだりは殆どしません。
腱を包んでいるのが腱鞘でありトンネル状の形になっています。
腱鞘は体にあるすべての腱に存在しているわけでなく手首や足首に主にあります。
その腱鞘が炎症を起こした状態が腱鞘炎です。
ドケルバン病とは手首の親指側の腱鞘に炎症が起きた時の疾患名です。
手首の親指側には短母指伸筋と長母指外転筋という2つの筋肉の腱・腱鞘が通っていて、この2つの筋肉は
それぞれ親指の伸展、外転という動きを司っています。 (親指を外側に広げた時に見えるのが短母指伸筋の腱です。)
手首の表側には伸筋支帯というバンド状の組織があって、手首を通る腱・腱鞘が浮き上がらないように上から押さえつける働きをしています。
これら2つの筋肉の腱・腱鞘は伸筋支帯の第一区画という共通のユニットに収められています。
実際に動かしてみると分かりますが、人間の手首は解剖学的に親指側よりも小指側の方向に動かし易い構造になっています。
また、短母指伸筋、長母指外転筋の腱・腱鞘は橈骨(前腕の親指側の骨)の茎状突起という骨が隆起した
部分の上を通過していることと上からは伸筋支帯で押さえられているため、手首を小指側に動かした時にこれら2つの筋肉の腱・腱鞘に伸長、圧迫、摩擦などの力が加わりやすいと考えられます。
このような解剖学的な理由により、仕事、家事、スポーツなどで手首を酷使する人にこの疾患の発生率が高いといえます。
その他に、妊娠時、産後の女性、あるいはデスクワークに従事する人たちにも高頻度で発生します。
腱鞘に微細な損傷(キズ)がついて炎症を起こすのが腱鞘炎ですが、さらに悪化すると腱そのものにもキズが起こる可能性があります。
治療は基本的に固定により安静を図り炎症が治まればリハビリを行いますが、慢性化して腱鞘が肥厚して腱を締め付けてしまっている難治例では肥厚した腱鞘を切開して腱を開放する手術が選択されます。
当院では、サポーターだけでなく患者さん一人ひとりの手の形に合わせた装具を作製して固定を行っています。
手首の親指側に痛みや腫れなどがありましたら一度ご相談してみて下さい。
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