2015.09.29
石灰沈着性腱板炎(急性の五十肩)
突然、肩が激痛を起こして眠れなくなってしまった・・・・・
肩を打ったり、捻ったりした覚えがないのに痛くて腕が挙がらなくなった・・・・・
もし、そのような状態が起きたとしたら、それは石灰沈着性腱板炎の疑いがあります。
症状としては、激烈な急性の肩の痛み・・・・・これがメインの症状でありポイントです。
そして炎症反応に伴う熱感、腫脹、発赤などが肩関節の周辺に認められ、それに付随して肩の運動制限も出てきます。
時には、痛みが手先の方まで放散することも多いです。
肩関節には回旋筋腱板と呼ばれるインナーマッスルが4つあり、すべて肩甲骨から始まり
上腕骨(二の腕の骨)の骨頭という所に付着して肩関節の安定性を高める働きをしています。
その内の棘上筋という筋肉の腱の内部にリン酸カルシウムという物質が40~50才過ぎた辺りから徐々に石灰化して沈着していきます。
特に、棘上筋の腱は常に腕の重みで負担がかかっており(腕を吊り下げている)、さらに、かなり血流も悪い部位なので損傷を被りやすく、また、加齢による変化(老化)が現れやすいところでもあります。
この棘上筋腱の中にある石灰化したリン酸カルシウムが何らかの原因で漏れ出してしまうと、棘上筋の直上にある肩峰下滑液包と呼ばれるクッションの役目をしている袋をチクチク刺激して炎症が発生します。
また、石灰化して漏れ出したリン酸カルシウム自体が人体にとって異物なので、それに対する抗原抗体反応による炎症も起こります。
肩関節の激痛の出現はこれらの炎症による発生がその訳となります。
肩関節に運動制限が起こるという点ではいわゆる 「五十肩」と同じですが、石灰沈着性腱板炎の場合は固定による安静が第一です。
痛みは強烈ですが、早ければ1週間、遅くとも2週間以内で石灰が吸収(白血球などによる貪食作用)されて痛みなく普通に肩が動かせるようになります。
その後のリハビリ(温熱・運動療法で可動域を元に戻すこと)も必要となりますが、このように運動療法が
基本の「五十肩」とは症状も治療法も全く異なるという意味で別物です。
ただし、漏れ出た石灰の量が多かったり、痛みを我慢して無理して酷使してしまうと手術以外に治らないという状況に陥ってしまうことも十二分にあります。
当院でも今までにこの疾患の患者さんを多く治してきましたが、中には歩く時の振動でさえ辛いために通院できず往診したこともありました。
このような重症例の患者さんは2度、3度と繰り返し発症することが多いように感じられます。
腱の中に石灰が沈着していても全く発症しない人もいれば、何度も起こす人もいるということは
その人の日常生活での体の使い方に原因があると思われます。
また、この石灰沈着性の炎症は腱板だけでなく、肘、手首、指、足などの腱や靭帯にも発生します。
急に肩に痛みが出た場合は当院にご来院してみて下さい。
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